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すべてはそこから。
っていうのはこの間、セッションで歌伴して下さったプロのピアニストの方が、やはり歌伴してくださった修行中のベーシストの方にしていたアドバイスです。
最近、自分の歌の録音を聴いていると、リズムが上滑りしているように聞こえるのです。
バックにとけ込んでいないというか、スイングしようとする意気込みが空回りしているというか。
だからタイミングずらして遊んでいるつもりが、リズムがずれて聞こます。
不思議なもので、ずらし方自体は「あり」なずらし方なのだけど、リズムをしっかり感じているか否かで聞こえ方が全然変わります。
ピアノでは、リズムがとれないと弾けなくなります。シンコペーションでタイで音がつながっていくので、ちゃんと4分音符を3連でとるリズムを刻んでいないと、音符の長さが訳が分からなくなってしまうし、無理矢理弾いても、曲に聞こえないのですね。恐ろしや。
"....Singers"のアルバムに収録されているEtta Jonesの"Poor Butterfly"の静かで深いスイングが素晴らしいのですよ。派手に跳ねていないけれど、しっかりスイングしている。このアルバムに入っている歌はある意味地味だけれど、「すべてはここから始まる」という感じがとても好きなのです。
これはRay Brownのアルバムだけど、派手に「ベースが凄いのよ」っていう感じではないのですが、きっちりと曲をスイングさせている職人技にしびれます。