二十歳位の頃、1年くらい、毎日、毎日、一緒に過ごしていた男の子がいた。彼女だったという幻想なんて抱きようのないくらい色々な女の子とつきあっている人で、待ち合わせ場所に他の女の子の車で乗り付けてくるような男。
頭が良くて、やさしくて、ちゃらんぽらんな男。
育ちのよさをいっぱいに漂わせ、親受けのいい男。
でも嘘をつかない男。
いや、違う。
嘘をつくという気遣いすらしない男。
多分、彼のことが好きだった私は物足りなさを感じつつ、でも真剣に手に入れようとは思わず、なんとなく会わなくなった。。。というか、いつから会わなくなったのかよく思い出せない。
あれからもう30年近く経つのだけど、彼はいまだに2年に1度位、絶妙のタイミングで電話してくる。
唐突に「●●にコネない?」とか、「あ、まだ電話通じた」だとか、しょうもない電話ばかり。
近況を報告しあうこともないし、「会おうよ」と言うこともない。私は彼の電話番号すら知らない。
「相変わらずだね~」と呆れて、笑って切る10分にも満たないような電話。
でも確実に私を少しだけ幸せにしてくれる電話。
夜にはアメリカ時代の先輩から数年ぶりに電話がかかってきた。
電話の向こうの声は記憶そのままにどーんと優しくて、懐かしくて、バーチャルhug hug。
年末に会う約束をした。
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