Friday, September 14, 2007

nonchalant

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Billie Holiday

Verve 2003-05-20
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歌の上手な人、音程が完璧な人、リズム感のいい人は
結構、沢山いる。

セッションに行っても沢山いる。

でもほとんどが"one of many"に過ぎない。

プロでも同じで、
しばらくの間は超絶技巧に酔って、
凄い人みつけた!と思って聴き倒すけれど、
「マイブーム終わり」という感じで
ぴたりと聴かなくなることって多い。

「その人でなければ駄目」という存在。

例えばBillie Holiday。

she is irreplaceable.

それは彼女は誰よりも歌がうまいということではない。

「その人でなければ駄目」というのはまったく別の次元だと思うのだ。
だから結構、好き嫌いがはっきり分かれる。

誰もが上手というけれど、
なんかつまんね、という歌との対極。
(下手でいいという意味ではない)

Billieはノンシャランとした感じがね、
私の涙を誘う。

例えば"Don't Explain"。
淡々と幸せをあきらめたような感じがたまらない。

声のイメージがとても年老いていて、
亡くなった時わずか44歳だったなんて信じられない。

このアルバムではないけれど
"I'll Be Seeing You"もせつない。

勿論、これは彼女の過酷な人生に対する
私の勝手な思い入れなのだけど。

その一方でまったく気張らず無頓着に軽々と乗りこなす4ビート。

人間の声でできることは、
楽器に比べればごくわずかであるけれど、
あえて声を出して歌うことの理由を教えてくれる。

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